調剤薬局冬の時代に、減給、解雇者まで出る中、かかりつけ薬剤師以外の方の転職、就職事情はどうなのか(2)

かかりつけ薬剤師に求められる要件とは

 2016年春の調剤報酬改定で「かかりつけ機能に係る業務を行っていない調剤薬局の調剤基本料は100分の50にする」とされました。
 上記の、かかりつけ機能のハードルが高いため、かかりつけ薬剤師の少ない中堅、準大手の調剤薬局は、収益激減の大打撃になったのです。
 そのため、
(1)高収入のパートの解雇
(2)調剤薬局勤務3年未満で、高収入をもらっている薬剤師、特に高齢の人の解雇
(3)パートや、調剤薬局勤務3年未満の薬剤師の減給
(4)勤務する薬剤師すべての減給
が起きました。
 かかりつけ薬剤師とは、ご存知の通り、
(1)薬剤師として3年以上調剤薬局勤務の経験があること
(2)同一保険薬局に週32時間以上(週4日以上)勤務していること
(3)同一保険薬局に6ヶ月以上在籍していること
(4)研修認定薬剤師を取得(平成29年3月31日までは経過措置あり)
です。
 今年4月からは、研修認定薬剤師の資格を持つことも新要件に加わるとされ、さらにハードルが高くなります。
 そこで、上記のかかりつけ薬剤師の要件を満たさない人が、さらにリストラされることも予想されます。

かかりつけ薬剤師の要件を満たさない薬剤師の転職、就職先は

 結論からいいますと、かかりつけ薬剤師ではない方は、大手ドラッグストアの併設調剤薬局に勤務するのがベターです。
 調剤薬局専業の会社に比べ、ドラッグストアは、ドラッグストア併設調剤薬局で赤字を出しても、その他の部門の収益でカバーできるので、かかりつけ薬剤師を無理にそろえなくても大丈夫です。
 ドラッグストア1店舗あたり、1か月の売り上げ目標は2千数百万円です。他部門で売り上げがあれば、それで十分カバーできます。
 ドラッグストア自体、調剤薬局部門は、ドラッグストアとしてのステータスを高める意味もあるので、その点でも採算は度外視です。
 ドラッグストア併設調剤薬局のウィークポイントは、調剤薬局専業の会社に比べ、年間休日が少ない点です。しかし、年間休日につきましても、増やす方向で改善のきざしが見られます。
 また、満65歳定年のところが多く、ゆったりと働ける環境にもあります。
 働く時間が週32時間に満たないパートの方にも門戸を開けており、かかりつけ薬剤師以外の方には働きやすい職場といえるでしょう。
 事項では、パートの薬剤師の雇用環境と展望について述べます。(続く)

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