新型コロナ流行2年目で相次ぐ高給取りの薬剤師のリストラ

進む高給取りの薬剤師のリストラ

 昨年からのコロナ禍で患者の受診控えが恒常化する中、高給取りの薬剤師のリストラへの動きが、ますます具体化しています。
 その際、主なターゲットとなっているのが、ベテランの女性薬剤師、特に管理者をしている人たちです。
 ズバリ言いますと、残業手当、交通費、管理者手当などで年間総額600万円台後半~700万円超のクラスの人です。
 この年収では、ベテランで管理者というケースがほとんどですが、この人たちを若い管理者に置き換えたら、1人当たり年間100万~100数十万円の人件費を削減できるというのが、医療機関や調剤薬局会社側の考え方です。
 ベテラン女性がターゲット化されているのは、
▽これまで、子育て、家事などに配慮し、早く終わる部署や土日が休みの部署に優先して配置してきた。
▽薬剤師不足が続く中、配慮してきたのは、辞められたら困るからだった。しかし、数年~十数年勤務するうちに年間の総支給額が、比較的軽度の勤務形態のわりに、600万円台後半~700万円以上にのぼるようになった。
▽医療機関や調剤薬局会社側が、新型コロナで患者激減が1年以上続く中、薬剤師不足を気にするよりは、経費節減を優先せざるを得なくなった。
 この流れの中で、管理者をしているベテラン女性を中心にリストラが進んでいるのです。

具体的な高給薬剤師<追い出し策>は?

 医療機関や調剤薬局会社にとって、長く、薬剤師の減俸は御法度です。なぜなら、ご存じのように、社内の薬剤師間のネットワークで、誰々が減俸になったという情報があっという間に広まるからです。
 同僚の減俸による不安増大と、次は自分の番かもしれないというおそれから、薬剤師が集団退職するかもしれない。その可能性があるから、医療機関や調剤薬局会社は、減俸という手段をなかなか取れずにいました。
 では、今回、どうリストラを切り出しているのでしょうか。
A)土日休みで、連日、時間が早く終わる勤務先から、土曜日も営業し、なおかつ平日でも遅くまで営業している部署への異動を言い渡す。
B)高齢を理由に、退職をしきりにほのめかす。
A)は比較的多くみられます。一般企業では普通にある手段です。極端なケースでは、リストラしたい人間を一つの会社に集め、会社ごと他社に売り飛ばしたという事例もあります。
 ともあれ、女性の場合、家庭の事情から、連日遅くまでの勤務や、土曜日勤務を急に切り出されると困るケースが多いです。
 そして、異動をのめば、医療機関側は「それでよし」となりますし、もし退職しても「それもよし」ということになります。
 リストラする側も少しは困りますが、リストラされる側は、もっと困ります。(つづく)
 
当社では、薬剤師、看護師の個別の事情に合わせ、転職、就職プランをご提案します。ぜひご相談下さい。

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