リストラされた高給取りの薬剤師のおちいりやすいこと

<先住>薬剤師に妨害されるキャリア。ライバル視して、あれやこれやで拒否

 新型コロナ流行2年目を迎え、一部の医療機関や調剤薬局会社で、高給取りの薬剤師のリストラが起きています。もし、リストラされたとして、再就職活動で気をつけることは何でしょうか。
 リストラされたと言っても、薬局の管理者もやり、知識と経験は十分あるはずです。ところが、再就職にあたって、その経歴があだとなることがあります。
 医療機関や調剤薬局会社の経営陣としては、優秀な人材を採用したいというのが基本的な考えです。ところが、面接に現場管理者の薬剤師を入れる医療機関や調剤薬局会社の場合、その現場管理者がネックとなる場合が往々にしてあるのです。
 人は制御しやすいと思った相手には比較的寛容に接するものです。しかし、ライバルになるとわかったら、拒否、忌避、排除といった行動に出てくることがあります。
 経営側としては、「キャリア的に申し分ない、採用したい」と思っても、現場責任者が「自分の邪魔になる」「自分が食われる」「仕事ぶりを比較される」「これまで怠けていたのがバレる」などと考えて、採用拒否に出るのです。
 面接を受けたリストラ薬剤師が謙遜のつもりで「私に務まるかしら」と言った一言を捉え、現場責任者が「あんな弱気なことを言っているから、うちの職場はつとまらない」と採用に反対した例があります。
 また、「電子薬歴のシステムが違うから不安」の一言を捉え、「電子薬歴を使えない人は、私の片腕になれない」と、現場責任者が拒否したこともあります。どのケースでも、最初から、相手の経歴を見て、「採用拒否」ありきで、言葉尻を捉えてきたものでした。
 もちろん、<先住>薬剤師がそのような人物の職場に入って、人間関係がうまく行くのかという疑問もあります。しかし、入りたいと思った再就職先で、同業であるはずの薬剤師に、そのようにシャットアウトされたのでは身もふたもありません。
 リストラされた薬剤師にとって、リストラが前門の虎、再就職での<先住>薬剤師の拒否が後門の虎といえるでしょう。まず、自らの経歴に誇りを持ちつつも、面接で、極力、余計なことを言わないというのが、うまくいく術かもしれません。

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